長唄 「鷺娘」
白無垢、綿帽子で雪と水の境に立った鷺の妖艶な姿からはじまり、次々と華やかな過去の回想と怨恨を踊ります。後半、急テンポに変わり鷺の姿となって地獄の責めをうけるところが眼目です。
清元 「山帰り」
江戸時代、民間信仰として特に職人連中の間に流行していた大山参りの帰り道の踊りです。当時流行った新内の「蘭蝶」の歌詞や庄内節が取り込まれており、振りにも遠眼鏡など流行ものがでてきます。三世三津五郎の初演で坂東流らしい演目です。
長唄 「紀州道成寺」
恋仲となった娘との約束をやぶり若い僧は道成寺に逃げ込みます。それを追って白拍子となって訪ねて来た娘は、蛇体となって若い僧のかくれている鐘に巻きつき僧を焼き殺します。道成寺もののひとつで謡曲に最も近い形をとっており、筋立てのしっかりとした内容でしかも趣もある大曲です。
清元 「瓢箪」
京都の四季を背景に、瓢箪の人生風まかせ、人まかせという飄々とした風貌を楽しく唄い上げている作品です。また瓢箪はひさご、ふくべなどとも申しまして縁起物、出世物ともいわれます。月に照らされながら自由奔放にのびのびと生き抜く様を踊って祝い納めといたしました。
※撮影は「舞ビデオ」さんです。写真のデジタルデータをすべて下さるので助かります!