日本舞踊ってどんなもの
皆さん、日本舞踊ってきくと古い古いものだと思っていませんか?
もちろんルーツは江戸時代の歌舞伎ですから古いといえば古いのですが、日本舞踊という一つのジャンルとして独立し歩き出したのはなんと大正時代なのです。
女性があまり優遇されなかった明治時代の力がいろいろな面で身を結んだ大正時代、そんな時代に歌舞伎踊りから発展し、シンプルな衣裳で自由な表現を する日本舞踊が世の中に認知されたのです。
世界中の国々は、みんなそれぞれ独自の文化を持っています。一つの国の文学(言葉)、音楽(歌)、絵画(美意識)などすべてに渡り、理解するまでいかなくても接してみるだけでもたいへんなことです。そこで舞踊というものを考えると、言葉あり歌あり美意識ありそしてその国の生活観あり。舞踊をみることで、かなりその国の文化の糸口がつかめるのではないでしょうか。日本舞踊もそうなのです。日本の文化がいろいろな形で詰っています。
さて、「今」をグローバルに活躍されている皆様、又活躍しようとしている皆様、あなたは自国の文化をどれくらい語れますか?どれくらい体験し、楽しんだことがありますか?
最初にちょっと書きましたが、日本舞踊は江戸時代に確立された世界に誇れる演劇である歌舞伎の中の所作事(おどり)です。ですから動きや表現方法の基本、又春夏秋冬、花鳥風月を愛する心も江戸時代の生活にあると思います。
「今」に生きる私達はその基盤となる表現方法と心をしっかりと身につけた上で、「今」ある心を自由に踊っていくこと、古典の作品にも心を吹き込んでいくことが、生きた伝統芸能を伝承することだと思うのです。こんな日本舞踊をちょっと覗いてみませんか?
坂東流とは
歌舞伎役者である坂東三津五郎の家を家元として江戸時代から伝わる古典の作品を大切に踊るお流儀です。元禄の頃から数々の今では日本舞踊の古典の代表である踊りを生み出し初演しており、芸には歴史があります。お流儀としてまとまったのは大正の頃、七代目三津五郎の時代からです。2021年で100周年を迎えました。
現在は十代目三津五郎の長男、坂東巳之助が家元です。
坂東流の踊りの特徴としては意味のある振りが多いこと、或いは意味を大事にすること(・・・芝居っぽいというか)、振りと振りの間にゆとりがあること、などなどまだまだありますが、言葉であらわすのは難しいです。
ただ日本舞踊の場合基本的体づかいは流派を超えてほぼ同じなので初心のかたはその特徴を感じるには数年かかるかもしれません。